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いつも突然、書き始めるので大変恐縮しておりますが、これって働き方改革の一環なんでしょうか。

 

 

 

 

新しい動きがあるようなので、ご報告です。

 

 

いいんですよ。うん。けどねぇ、そもそも取れないじゃん。

 

 

産経ニュース 転職直後の労働者に有給給付 政府、秋にも指針改定

 

抜粋して引用します。(赤字強調は筆者によります。)

 

政府は18日、転職直後の労働者にも年次有給休暇を与えるよう企業に促すため、労働時間のあり方に関する企業向けの指針を今秋にも改正する方針を固めた。現行の労働基準法では、入社後6カ月を過ぎてから有給を与えればよいが、このことが転職意欲をそぎ、成長産業への労働力移動を妨げているとの指摘を踏まえた。

政府が改正を検討しているのは厚生労働省の「労働時間等設定改善指針」だ。

有給取得に向けた環境づくりや意識改革を企業に求める項目に、「有給付与の早期化を検討する」という趣旨の文言を加える。労働政策審議会(労政審)での議論を経て、9月中の公布を目指す。

政府の規制改革推進会議は、この状況が労働者の転職を足踏みさせていると指摘。勤務初日に1日の有給

を与え、勤続1カ月ごとに1日ずつ増やす仕組みの導入を提言している。

指針改正はこうした提言などを踏まえるものの、具体的な有給の付与方法は示さない方向だ。拘束力もないため、労基法そのものを改正すべきだとの声が強まる可能性もある。

 

 

「現行の労働基準法では、入社後6カ月を過ぎてから有給を与えればよいが、このことが転職意欲をそぎ、成長

産業への労働力移動を妨げているとの指摘」を受け、法的に拘束力の無い「労働時間等設定改善指針」を改定す

る。といったニュースです。

 

 

・・・うーん。なんて言うか、ツッコミどころ満載の指針改定なのですが、概ね肯定的な意見が多いようです。

 

 

(いいんですよ。「2箇所以上にまたがる場合の前職分の有給の管理」とか「退職証明書等の交付が必須」とか

「従前長期勤務者の転職入職者(厚生労働省では「入職者のうち入職前1年間に就業経験のある者」と定義して

います。)の場合の有給の日数引継ぎの計算方法」などものすごく煩雑になりそうなので、「指針」にしたんで

しょうね。いいんですよ。わかってます。)

 

 

じゃあその「指針」に該当する転職入職者はどのくらいなの?かというと、コレです。

 

厚生労働省 平成28年雇用動向調査結果の概要  転職入職者の状況(リンク先PDF)

 

抜粋して引用します。

 

平成 27 年1年間の転職入職率を性、年齢階級別にみると、女性の転職入職率は 19 歳以下及び 60 歳

~64 歳を除いた各年齢階級で男性より高くなっている。

また、女性の転職入職率を就業形態別にみると、19 歳以下を除く各年齢階級で一般労働者よりパー

トタイム労働者の方が高くなっている。

 

なお 図表データ内 図3職歴別入職率の推移によると、平成28年の「転職入職率」は9.9%です。

 

・・・約10%です。

 

その10%の労働者数が「転職意欲をそぎ、成長産業への労働力移動を妨げている」とは思えません。

(そもそも労働市場が流動的では無い為、「転職=長続きしない」というネガティブな考え方が一般的。など

いろいろな理由が考えられますが、触れないでおきます。横道が険しそうなので。)

 

 

それよりも、まずは年次有給休暇の取得率を何とかした方が良さそうです。

 

厚生労働省 平成28年就労条件総合調査 結果の概況

労働時間制度(リンク先PDF)(4P目)

 

赤字強調は筆者によります。)

平成 27 年(又は平成 26 会計年度)1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く。)は労働者1人平均 18.1 日(前年 18.4 日)、そのうち労働者が取得した日数は 8.8日(同 8.8 日)で、取得率は 48.7%(同 47.6%)となっている。
取得率を企業規模別にみると、1,000 人以上が 54.7%(同 52.2%)、300~999 人が 47.1%(同 47.1%)、100~299 人が 44.8%(同 44.9%)、30~99 人が 43.7%(同 43.2%)となっている。

 

付与日数の半分も取得していない・できない状況が見て取れます。

 

 

では、なぜ有給って取得出来ないのでしょうか。ココが面白いデータを提示しています。

 

ビッグローブ 有給休暇を取得しづらい理由は「職場の空気」が1位に 「有給休暇に関する意識調査」を実施

 

 

20代の集計なので、全世代で考えるとまた少し違ってくるのでしょうが、上位の3つの理由

 

・職場に休める空気がないから

・自分が休むと同僚が多く働くことになるから

・上司、同僚が有給休暇を取らないから

だけで、78.8%を占めます。

 

この3つって自分の気遣い(そんな空気感。そんな雰囲気が出てる。)ですよね?

 

しかしですよ、この「気遣い」って流行り(?)の「忖度」に似てませんか?

コトバンク (そん‐たく【×忖度】)

 

 

うーん。これって逆だと思います。

コチラが気を遣えば、アチラも遣う。つまり現状は気の遣い合い。悪循環に陥っている訳です。

 

そこで、キーポイント! 「有給休暇を取得する理由を決して聞かない事、言わない事」

 

「取得理由」はそもそも取得するのには関係ないものですが、ここに「雰囲気」=「忖度」が生まれます。

 

ココでも示しましたが、労働基準法39条に基づく年次有給休暇の利用目的は同条の関知しないところであ

り、労働者の自由です。

請求も承認も必要なし!でも例外あり!(年次有給休暇自由利用の例外)

 

 

あくまでも事務的に、「取ります」、「はい。分かりました。有給申請を出してください。」でOK。

理由が必要であれば「一身上の都合」で充分です。

 

「なにっ?そんな理由で??」とか「うわっ。こんな理由でいいのか?」など忖度は必要ありません。

 

 

理由を聞かない。理由を言わない。

 

 

こうするだけで精神衛生上、だいぶ楽になるはず。

 

そもそも有給休暇を取らせてくれない事業所は、お話しになりません。

第三者(監督署)に申告しましょう。(なげやり)

 

 

最後に

 

 

よくもまあ政府も、企業側の負担を考えずに(考慮の内でしょうが)今回の様な「前職の有給の管理」など自分

達では出来そうもない事務手続きを押し付けようとしますよね。

 

「所得税の徴税システム」や「労働保険料の申告制」など企業の負担は増えるばかりです。

さらに前職分の有給の管理まで付け加わるともう、ナニガナンダカワカリマセン。

 

今回は「指針の改定」だけに終わるでしょうが、「もっと「気楽」に有給の取得が出来合える雰囲気」

ならないもんか、と考えさせるニュースだったのでご報告でした。 おしまい