• 弊所のモットーは「もっと仕事を楽しくしたい。」です。

 

「ヒュ~~~ッ。パチッパチッ

 

 

 

 

 

皆様、酷暑厳しき折、如何お過ごしでしょうか。

お互い熱中症などにも充分注意して、元気に夏を乗り切りましょう。

 

ちなみに熱中症予防対策はコチラ。

「28℃」じゃなくて、暑さ指数(WBGT値)(熱中症予防対策)

 

 

 

うーん。文字ではうまく表現出来ないのが残念なのですが、昨日(29/08/16)雨上がりの打ち水効果で涼しい

という絶好のコンディションの中、近所の河原で花火大会が開催されました。

 

なので雰囲気を「御福分け」です。

 

川内商工会議所 川内川花火大会

 

 

そこで、今回は夏の風物詩でもある「花火」と対をなす「怪談」をテーマにしたいと思います。

 

 

「ギャャ~~~ァ!!」

 

 

 

 

考え方によっては、という事です。

 

 

では、早速ですが「怪談」をご紹介します。コチラからどうぞ。

 

厚生労働省 平成28年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果を公表します

 

これは、平成28年度に時間外労働などに対する割増賃金を支払っていない企業に対して、労働基準法違反で是正

指導した結果を公表するものです。

 

 

「・・・うん?ちがう??」

 

すみません。こんなのを期待されていましたか?

 

 

 

申し訳ありませんが、そういった類のモノは出てきません。

ですが読んでみるとちょっとした「怪談」なのでご紹介します。

 

 

そりゃぁもう、怖い。怖い。(ぶるぶる)

 

 

 

まずは是正指導の結果から見てみます。

 

抜粋して引用します。(赤字は筆者によります。)

【平成28年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果のポイント  】

(1) 是正企業数                                1,349企業 (前年度比 1企業の増)

    うち、1,000万円以上の割増賃金を支払ったのは、184企業

(2) 支払われた割増賃金合計額         127億2,327万円 (同 27億2,904万円の増)

(3) 対象労働者数                          9万7,978人 (同 5,266人の増)

(4) 支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり943万円、労働者1人当たり13万円

 

注目したいのが、労働基準監督署等の是正企業数は前年とほぼ一緒なのに、割増賃金合計額(127億円!!)と

象労働者が大幅に増加している事です。

 

あくまで推測ですが、悪質な労働基準法違反を行う事業所に関連する方(従業員やその配偶者又は第3者)の

「申告」が増える事で事態が発覚している。つまり「あぶり出されている」という現象ではなかろうかと考えて

います。

 

e-gov 労働基準法 (104条 督機関に対する申告)

第百四条 事業場に、この法律又はこの法律に基いて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。
   2  使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならない。

 

 

反対解釈をすれば、「労働基準法違反」の存在を認識している=「労働基準法違反は犯罪だ」との認識が広まっ

ているとも言えそうです。

 

ちなみに支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり943万円、労働者1人当たり13万円とありますが、

これはあくまで、是正勧告に則った修正なので、当たり前ですが遅延損害金も付加金(労働基準法114条)も付い

ていません。

 

なので裁判にでもなったらもう大変!です。 こ、怖い!

 

 

わたしとしてはココまででも、充分「怪談」なのですが、実はここからなんです。

 

この是正指導の事を調べていて、気になったのがコレ。またしても厚生労働省です。

 

厚生労働省  自動車運転者を使用する事業場に対する平成28年の監督指導、送検等の状況を公表します

 

抜粋して引用します。(赤字は筆者によります。)

監督指導を実施した事業場は 4,381事業場。このうち、労働基準関係法令違反が認められたのは、 3,632事業場(82.9%)

また、改善基準告示違反が認められたのは、 2,699事業場(61.6%)

 

主な労働基準関係法令違反事項は、

(1)労働時間(55.6%)、(2)割増賃金の支払(21.8%)、 (3)休日(5.0%)

 

主な改善基準告示違反事項は、

(1)最大拘束時間(45.8%)、(2)総拘束時間(38.4%)、 (3)休息期間(31.9%)

重大・悪質な労働基準関係法令違反により送検したのは 68件

 

そして、立て続けにコレです。

 

厚生労働省

 平成28年度「過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究事業報告書」を公表します

 

抜粋して引用します。(赤字は筆者によります。)

 

 企業・労働者調査

○自動車運転従事者(バス、タクシー、トラック)に係る調査結果

・企業調査、労働者調査ともに所定外労働が発生する主な理由はほぼ同じで、「バス」では「仕事の特性上、所定外でないとできない仕事があるため」、「人員が足りないため」が多く、「タクシー」では「人員が足りないため」、「予定外の仕事が突発的に発生するため」が多く、「トラック」では「取引先の都合で手待ち時間が発生するため」、「仕事の特性上、所定外でないとできない仕事があるため」が多かった。

・労働者調査において、業務関連のストレスや悩みの内容をみると、「バス運転者」では「長時間労働の多さ」、「タクシー運転者」では「売上・業績等」、「トラック運転者」では「仕事での精神的な緊張・ストレス」がそれぞれ最も多かった。

 

上記資料は、平成28年にトラック、バス、タクシーなどの自動車運転者を使用する事業場に対して行った監督

指導、送検等の状況の報告です。

監督指導された全事業場4,381事業場中、労働基準関係法令違反が認められたのは、 3,632事業場(82.9%)

だそうです。

 

上記資料は、過労死等が多く発生しているとの指摘がある自動車運転従事者、外食産業の企業と労働者や、

法人役員、自営業者に対する調査の結果報告です。

 

 

違反率82.9%はかなり高過ぎ、過労死が多く発生するのは酷すぎです。

これは特殊な業態に由来するもので、事業所サイドが「制度*1の理解が出来ていない。」のが原因ではないで

しょうか。

 

 

特殊な拘束時間がある上に、賃金不払があり、それでも長時間労働を強いられる。

職業選択の自由があるとは言え、

 

とにかく・・・・ダメじゃない? 労働環境、劣悪すぎるでしょ。

 

 

 

 

 

ここでピンと来られた方も多い筈です。そうです。ここまで調べていてあの事故の事を思い出しました。

wiki 軽井沢スキーバス転落事故

死者15名(無くなった乗客のすべて大学生)という大変痛ましい事故でした。

 

事故原因は「スピードの出し過ぎで運転手の操作ミス」というのが通説みたいです。

 

ですが、上に示した厚生労働省の資料が示すような劣悪な労働環境が下地にあったのであれば、

直接的な原因は「操作ミス」でも、根本的な原因は「事業所の不作為(安全配慮義務違反を含む)」です。

 

実は私が怖いと思ったのもココなんです。

だって、外から(関係者以外)は劣悪な労働環境なんて見えない(確認しようが無い)からです。

 

労働環境をキチンと整備しない事業所の不作為で思いもしない被害にあって、その不作為ゆえに事業所が倒産で

もしたらそれこそ「怪談」です。

 

 

最後に

 

 

一歩間違えば被害者の出る可能性もあり、尚且つ外からは見えない「劣悪な労働環境」。非常に厄介です。

 

だからこそ、公表される資料・ニュース等で自分の置かれている環境を客観的に評価して貰いたい。という事を

 

結びとしまして、わたしの「怪談」噺は以上です。

 

 

 

*1 タクシー運転者並びにバス運転者の労働時間の考え方は非常に特殊です。無理に覚える必要はありません。

「ふーん。特殊なんだ。」ぐらいで結構です。関係者はキチンと理解しましょう。

 

厚生労働省 タクシー運転者の労働時間等の改善基準のポイント

同上    バス運転者の労働時間等の改善基準のポイント