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今回は「おお!コレは!!」という気になった情報を調べていたら、案の定、テーマが変わっちゃったという

お話しです。

 

(いつものように安定して、脱線していきます。申し訳ありません。お付き合い下さい。)

 

 

 

 

やっぱり減ってない。(呆然)

 

 

まず気になった情報とはコレです。

 

厚生労働省 平成28年度「過労死等の労災補償状況」を公表

 

29/06/30に公表された、28年度の過労死等の請求件数・支給決定件数の状況報告です。

 

ポイントだけ引用します。(強調赤字は筆者によります。)

1 脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況

(1) 請求件数は825件で、前年度比30件の増となった。

(2) 支給決定件数は260件で前年度比9件の増となり、うち死亡件数も前年度比11件増の107件であった。

2 精神障害に関する事案の労災補償状況

(1) 請求件数は1,586件で前年度比71件の増となり、うち未遂を含む自殺件数は前年度比1件減の198件であった。

(2) 支給決定件数は498件で前年度比26件の増となり、うち未遂を含む自殺の件数は前年度比9件減

の84件であった。

やっぱりと言うか、脳・心臓疾患(対前年比3.6%増)、精神障害(同 4.5%)共に前年よりも

微増しています。

最新(29年)のデータでは無いのですが、電通事件での顛末の波及効果が出るのは、まだなんでしょうか?

大きな「うねり」かもしれません。(電通違法残業、裁判で審理)

「なんだよ。増えてるじゃん。やっぱり労働基準法遵守ってまだまだなんだね。(呆然)」と思ってい

たら、ふと違う事が頭をよぎりました。

「ん?チョットまてよ。精神障害の支給決定が決まった皆さん「障害年金」の支給申請が出来るよね。

つまりは「障害者」って事?

そうなんです。今回の脱線事案はここです。「障害者の雇用」についてです。

この「障害者の雇用」については個人的に思い入れがあるので今回のテーマにしました。

(理由は後述します。)

思った以上の数値でした。

 

 

まずは現状の確認をします。コチラをご覧ください。

 

内閣府 平成29年版 障害者白書  (参考資料 障害者の状況(リンク先PDF))

 

一口に「障害者」と言っても「身体障害」、「知的障害」、「精神障害」の3つの区分があります。

その区分ですが、現状以下の様な統計が出ています。

 

・「身体障害者」数は392.2万人、「知的障害者」数は74.1万人、「精神障害者」数は392.4万人

・人口千人当たり人数で見ると「身体障害者」は31人、「知的障害者」数は6人、「精神障害者」数は31人

・施設利用者数割合は「身体障害者」は1.5%、「知的障害者」数は16.1%、「精神障害者」数は8.1%

 

と、数字上、「障害者」は社会的少数者と言えますが、その中でも施設利用者は全体数の5.8%に過ぎません。

つまり、障害者数全体の94.2%の方々はわたしと何ら変わらない生活が出来ているという事です。

 

わたしは、もっと施設利用者が多いのかと思っていたのですが、思った以上に少ないようです。

逆にどんな理由・方法であれ、施設を利用しておられない方が多数おられたのは正直ビックリです。

 

そして、雇用状況です。またしても厚生労働省にお世話になります。

 

厚生労働省 平成28年障害者雇用状況の集計結果

 

コチラも引用します。(強調赤字は筆者によります。)

<民間企業>(法定雇用率2.0%)

 ○雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新。

・雇用障害者数は47万4,374.0人、対前年4.7%(21,240.5人)増加
実雇用率1.92%、対前年比0.04ポイント上昇

法定雇用率達成企業の割合は 48.8%(前年比1.6ポイント上昇)

<公的機関>(同2.3%、都道府県などの教育委員会は2.2%)※( )は前年の値

○雇用障害者数及び実雇用率のいずれも対前年で同程度又は上回る。

・  国 :雇用障害者数 7,436.0人(7,371.5人)、実雇用率 2.45%(2.45%)

・都道府県:雇用障害者数 8,474.0人(8,344.0人)、実雇用率 2.61%(2.58%)

・市町村:雇用障害者数 2万6,139.5人(2万5,913.5人)、実雇用率 2.43%(2.41%)

・教育委員会:雇用障害者数 1万4,448.5人(1万4,216.5人)、実雇用率 2.18%(2.15%)

 

<独立行政法人など>(同2.3%)※( )は前年の値

○雇用障害者数及び実雇用率のいずれも対前年で上回る。

       ・雇用障害者数9,927.0人(9,527.5人)、実雇用率 2.36%(2.32%)

 

 

上記赤字の「法定雇用率」ですが、「障害者の雇用の促進等に関する法律」(通称 障害者雇用促進法)という

 

法律の中で定められています。

 

e-gov 障害者の雇用の促進等に関する法律

 

これは「常時雇用している労働者数」の一定の割合に相当する人数以上の身体障害者、知的障害者を雇用*1する

 

ことが義務とされている制度で、「障害者雇用納付金制度」と密接な関係を保っています。

 

簡単に説明すれば、「雇用率」を基準に「障害者雇用者数」が多ければ、助成金が貰え、少なければ納付金と言

う過料が発生しますよ。といった制度です。

(あまりにも簡単な説明で申し訳ありません。ご自分で確認してみて下さい。)

 

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者雇用納付金制度の概要

 

 

統計を見る限り、基準である雇用率も、実際の雇用率もどちらも低いのが現状のようです。

 

 

ここからは体験談です。

 

 

 

今回、この「障害者の雇用」について調べて書くことにあたり、どうしても行きつく事件がありました。

 

ピンと来られた方も多いはずです。そうです。この事件です。

 

ウィキペディア 相模原障害者施設殺傷事件

 

知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」の元施設職員が引き起こした痛ましい事件です。

 

この事件の被告は元々、同施設職員でありながら、常々「障害者は周りを不幸にするので、いない方がよい」な

どと発言していた。とされ、違う衝撃を与えました。

 

少なくとも私はかなりの衝撃を受けました。

 

「思い入れ」と言うのは実はここで、わたしも経理職として、中程度の知的障害者福祉施設に勤務していた事が

あるからです。

 

その施設は、中程度の知的障害者(入所者)が加工食品の製造を行い、地元の小売店に販売を委託する形式を

とっていました。

 

わたしも経理職とはいっても配達等、入所者の方に接する機会も多く様々な経験をしたものです。

 

(小学6年の時の同級生(自閉症でサヴァン症候群という特殊能力を持った人なんです。)と当該施設で再開し

て、再開を喜んだりもしました。)

 

 

確かに意思の疎通をし難いこともありました(当然個人差はあります)が、中程度の知的障害といっても仕事

の段取りなど、わたしより遥かに段取りのいい方もたくさんおられて、教えてもらう事も多々ありました。

 

談笑なども全然余裕です。常に笑えていたように思います。

 

なので、「障害者は周りを不幸にするので、いない方がよい」などの発言は、?マークがいくつあっても足りま

せん。なんだったら?マークでこのブログの文字数を稼げるぐらいの勢いです。

 

最後に

 

 

全部が全部わたしの体験談と同じな訳はありません。いろんな施設でいろんな障害の程度があるでしょう。

 

ですが「法定雇用率」も「実際の雇用者数」も低い理由が、「障害者」に対する無理解・知識不足も1つの要因

だとすれば、

 

人材確保の方法として大変もったいない。

 

と思います。

 

上記統計に戻るのですが、他人に「異常」を強いる「健常者」がいるからこそ、過労死が減らないのであって、

 

そんな「健常者」は健常(心身の働きが普通で、特別の異常がない)ですか?

 

「障害」と「健常」。ボーダーが曖昧なら、とっぱらって賢く制度を利用した方が断然お得です。

 

 

 

 

 

*1 平成30年4月1日以降は「法定雇用率」の計算基礎に「精神障害者」も算入されることになります。

厚生労働省 平成28年4月(一部公布日又は平成30年4月)より、改正障害者雇用促進法が施行されました。