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「そうだよね~。まだまだあるんだよね。でもなぜ?」

 

 

 

 

 

 

のっけからスミマセン。でも正直、「まだまだあるんだよね・・・。」としか言えそうにありません。

 

それは、こちらのニュースです。

 

弁護士ドットコムニュース 「コマ数削減で減給、雇い止めに追い込まれた」元世界史講師が河合塾を提訴

 

抜粋して引用します。(赤字は筆者によります。)

 

大手予備校・学校法人河合塾(名古屋市)で世界史を教えていた男性講師が、不当にコマ数を減らされ、その結果、契約更新に至らなかったのは、不合理な雇い止めに当たるとして、7月14日、東京地裁に提訴した。河合塾に対し、地位確認と今年4月からの給与相当分など約640万円を求めている。

訴えたのは、岡田浩一さん(58)。訴状などによると、岡田さんは1994年から河合塾の講師で、1年間の有期労働契約の更新を繰り返していた。2016年には、浪人生向けの90分授業を週6コマ、現役生(高校生)向けの150分授業を週2コマのほか、夏期・冬期講習などを受け持っていたが、今年3月に示された2017年度の契約では、浪人生向けの6コマが4コマに減らされた。

この結果、月収は約33万5000円から約26万2000円にダウン。長期休暇時の講習なども含めた年収は、約536万円から約445万円に減少することになり、岡田さんがコマの減少は不当であるなどとして、サインをしなかったところ、そのまま契約が終了した。

河合塾がコマを減らした理由は、(1)生徒を対象に行った授業アンケートの結果、前年度2学期の評価が、同1学期を下回っていたこと、(2)岡田さんが校舎内で「河合塾に労使協議会をつくりましょう」などと書かれた名刺を配布したことが、懲戒事由に当たること、だったという。

岡田さんは、アンケートを理由にするなら、もっと長期スパンで見るべきだと反論。職場の労働環境を変えようと、率先して有給休暇を取得するなどしていたため、目をつけられたのではないかと主張している。なお、講師が有給休暇を取得すると、代理の講師が授業をするため、「河合塾にとっては、余計な費用が発生していたことになる。権利としての有給休暇はあるが、予備校講師が取得するのは難しい」(岡田さん)という。

 

このニュースは、有期労働契約の更新を繰り返していた塾講師が、職場の労働環境を変える為に「有給休暇」を

取得したら従前より不利な労働条件を提示され、契約に至らず、結果「雇止め」にあった(注 本人談)ので訴

訟を提起した。とのニュースです。

(会社側は「河合塾に労使協議会をつくりましょう」などと書かれた名刺を配布したことが懲戒事由に該当し、

コマ数を減らした。との事です。ニュースソースを信用すればの話しですが。)

 

論点をいくつかピックアップしてみます。

まず当初の「契約締結時の労働条件の明示(更新の有無、判断基準の明示)はどうだったのか。」から始まり、

契約更新に於ける不利益条件の提示が労働組合を組織しようとした事に対する報復であれば、不当労働行為(労

働組合法第7条1項 e-gov 労働組合に該当するのでは?や、今回の様な「雇止めの予告」及びその「判

断」と「判断理由の明示」が労働契約法19条の「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であ」ったの

か、などでしょうか。

 

なのですが、実を言うとこのニュース自体が今回のテーマではありません。(ここまで書いといて。)

 

今回テーマにしたい「まだまだあるんだよね。」は、赤字でも書いた

 

労働環境を変える為に「有給休暇」を取得した」の部分なんです。

 

 

それでも例外はあるのです。

 

 

つまり、「年次有給休暇を紛争の種に使わないでほしい。」という事です。

(仕事柄、良く聞かされます。)

 

労働者の有給の自由利用の原則は「労働者の権利」として広く認知されているのは、ご承知のとおりです。

 

これは「白石営林署事件」の判旨に沿った取扱いがなされている結果と言えます。

 

全国労働基準関係団体連合会 林野庁白石営林署賃金カット事件

 

事件の概要はこうです。

 

営林署職員が、他署の処分撤回闘争を支援する意図で有給休暇を請求し休暇をとったのに対して、国がこれを承認せず、その日の給料をカットしたため右職員が右カット分を請求した事例。

 

この判例は業界(?)では「ものすごく」有名な判例で、年次有給休暇の定義について、いくつもの判旨を含ん

でいます。

 

・労働基準法39条に基づく年次有給休暇の利用目的は同条の関知しないところであり、労働者の自由である

・年次有給休暇の成立要件として、労働者による「休暇の請求」これに対する使用者の「承認」の観念を容れる

余地はない。

・「事業の正常な運営を妨げる」理由があれば、会社は指定された年休時季を変更できる(時季変更権)

とかオールスター揃い踏み(??)です。

 

その中に、「年次有給休暇の自由利用の例外」もちゃっかりと混ざっています。

 

「一斉休暇闘争*1は、年次有給休暇に名を藉りた同盟罷業*2に外ならず、労働基準法39条にいう年次有給休暇権の行使ではないから、右同盟罷業に入った労働者には賃金請求権が発生しない。」

*1 有給を利用した計画されたサボタージュとでも表現できるでしょう。

*2 こちらはストライキです。

 

「有給の自由利用にも限度がある」という事です。

 

 

いやぁ~渋いですね。オールスターがひしめく中で、じわっと沁みる判旨です。(意味不明)

 

実用性の低い部分ではありますが、ピリっと効いてくる気がしません?(ますます意味不明)

 

 

上記ニュースで見れば、この「自由利用の例外」に基づく双方の言動は判断材料の1つでしか無いでしょう。

 

しかし私見ですが、

そもそも労使双方ともに「年次有給休暇という制度」をキッカケにしてケンカするのは間違っています。

 

つまり、経営者側は、従前にどんなイザコザがあろうと「有給の取得」を理由に不利益取扱いをしてダメだし、

労働者側も労働環境の改善の為等の理由づけで有給を取得するのはあまりにもグレーゾーンです。

 

有給ってそんなんじゃなくない?

 

 

(まるっきり感情論です。)

 

 

ばらまきもみんなでもらえば怖くない?(字余り)

 

 

上記ニュースに絡めて、と言う訳でもないのですがこんな動きがあるようです。

時事通信社 有休取得「3日増」へ調整=実施企業に優遇措置も-政府

 

政府は2018年度の企業の年次有給休暇(有休)の取得について、今年度比「3日増」を新たな目標に掲げる方向で調整に入った。有休の取得を促して個人消費の拡大や観光振興につなげ、回復の遅れが目立つ地方景気の底上げを図る。有休を増やした企業に対する助成などの優遇措置を講じることも視野に、取得促進の仕組み導入を検討する。政府関係者が5日、明らかにした。
 政府は現在、有休取得率について「20年までに70%」を掲げるが、政府の調査によれば15年は48.7%と目標に遠く及ばないのが実情だ。1人当たりの有休付与日数は18.1日なのに対し、実際の取得日数は8.8日にとどまっている。
 このため政府は企業に対するインセンティブとして、社員の有休取得を増やした場合、代替要員の確保などに必要な助成を行うことを検討する。労働基準法を改正し、一定の日数の有休取得を使用者に義務付けることも視野に入れる。(2017/06/05-17:28)

 

6月のニュースで申し訳ないのですが、この記事の文言からいくと、純粋に法定の有給休暇日数が「3日増える」

のでは無く、付与日数を対前年比3日増しにする。その為に助成金も整備する。といった主旨です。

 

さすが、現政権の経済政策の要。「働き方改革」。

 

そりゃもう必死です。

 

なので、計画的付与を推進する目的で助成金を整備するのであれば短期の対処療法に終わるでしょうから、

その助成金は「ばらまき」です。

 

なのでその時は、是非頂きましょう。

 

それよりも強制的に付与(労働基準法第〇〇条 労働者は年度毎最低○○日は年次有給休暇を取得しなければな

らない。とか)しちゃえば、効果がありそうなんですが。

 

 

最後に

 

 

 

有給の取得に関しては、皆さんの事業所でも「チョットまて!」な制度運用が沢山あろうかと思います。

ニュースになる様な裁判の提起を!とは言えませんが、法律の整備や職場での意識改善で少しでも現状が良くな

ればいいなぁとクーラーのあまり効かない暑い部屋の中で考えておりました。

 

 

 

最後になりますが、

「暑中見舞い申し上げます」

皆様、猛暑が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

くれぐれもご無理なさらぬ様、有給休暇でも取って、お体ご自愛くださいませ。

平成29年 成夏

(こう言った類の挨拶って最初にするんですかね?)