• 弊所のモットーは「もっと仕事を楽しくしたい。」です。

 

先日、こんな記事を見かけました。

 

キャリコネニュース

「1日5時間労働が理想」「人生スッカスカだ」に賛同相次ぐ 「まずは1日8時間の徹底が先」という意見も

 

タイトルどうり、1日の労働時間(8時間)が長すぎると言った趣旨のニュースです。

 

この「労働時間1日8時間は長い」というテーマは、上記ニュース以前からずっと話題に上がっていたらしく、調

べてみたらおもしろい意見がたくさん見受けられました。(わたしは今回初めて知りました。)

 

だいぶ昔まで、遡ります。

 

 

そもそも、なぜ「労働時間は8時間」なんでしょうか?

歴史的な経緯はコチラ。

wiki  八時間労働制

抜粋して、引用します。(強調は筆者によります。)

産業革命当時のイギリスでは、平均的な労働時間は1日に10時間から16時間で休日は週に1日のみであった。

・ロバート・オーウェンは1810年に1日10時間労働を訴え、経営していたニュー・ラナークの工場で実践に移した。さらに1817年には1日8時間労働を新たな目標とし、「仕事に8時間を、休息に8時間を、やりたいことに8時間を」(Eight hours labour, Eight hours recreation, Eight hours rest)のスローガンを作り出した。

・イギリス政府は1833年に工場法を制定したが、その内容は不十分であり、1847年の改正でようやく若年労働者と女性労働者に対する10時間労働の制限が実現。

フランスの労働者は1848年革命後にようやく1日12時間労働を勝ち取った。

・1890年5月1日、フランス革命百周年の記念日を迎え、フランスを本部とする第二インターナショナルは、アメリカ労働組合の呼びかけに応じて、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、ラテンアメリカなど世界各地で一斉に集会やデモをすることを決めた。これ以降、毎年5月1日に世界各国でメーデーが開催されるようになった。「仕事に8時間を、休息に8時間を、おれたちがやりたいことに8時間を!」(「8時間労働の歌」)のスローガンが訴えられた。

1917年、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国は初めて国の法律として八時間労働制を確立した。

1919年、国際労働機関(ILO)第1回総会で「1日8時間・週48時間」という労働制度を定め、国際的労働基準として確立した。

日本で最初に八時間労働制を就業規則として導入したのは、神戸市の川崎造船所(現・川崎重工業船舶海洋カンパニー)神戸工場で、1919年。

法律として八時間労働が規定されるのは1947年施行の労働基準法

・ILOの定める国際労働条約の1号は八時間労働であるが、日本政府は現在に至るまで批准していない。

 

おもしろいですね~。「1日8時間労働」はおよそ200年前に提唱されていたようです。

また、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国が、「国」として世界で最初に「8時間労働」制度を導入したのは

よく解るのですが、日本で最初に制度導入をしたのは、「民間企業」だったことにはビックリです。

 

本体だけ考えても、オプション抜きだと正確じゃない?

 

 

では今の状況を見てみましょう。まずはコレ。

e-gov 労働基準法 32条2項

(労働時間)
第三十二条  使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

 

そして、コレ。 厚生労働省 我が国における時間外労働の現状(PDF:1004KB)

抜粋して、引用します。(【 】内は筆者によります。)

○ 日本は欧州諸国と比較して、年平均労働時間が長い。
○ また、時間外労働(40時間/週以上)者の構成割合が高く、特に49時間/週以上働いている労働者の割合が高い。【日本の場合 40時間未満41.5%  40~48時間37.3%  49時間以上21.3%】

 

最後にコレ。

総務省統計局 平成23年社会生活基本調査  詳細行動分類による生活時間に関する結果(リンク先PDF)

抜粋して、引用します。(92ページ中16ページ目)

④平日の「通勤」時間は男性が1時間 18 分,女性が1時間3分
有業者のうち,平日に「通勤」をした人の割合(行動者率)は 72.2%で,その時間(行動者平均時間)
は1時間 12 分となっている。男女別にみると,男性は 74.9%で1時間 18 分,女性は 68.6%で1時間
3分となっている。

 

 

うーん。労働時間8時間+休憩時間1時間+通勤時間約1時間でトータル「10」時間。これに残業が発生したら、

1日の半分以上は、「仕事に拘束」されてしまうのが現状のようです。

 

8時間を謳っていても、オプション(?)込みで、「12時間」を超えるならば、「チョットまて。」

 

と言いたくなるのも良く理解出来ます。

 

 

だったらどうしましょう?

 

 

また、このようなニュースもありました。

プレスリリース ギュウギュウな!!「満員電車」にゆられない働き方

これは、フューチャーイノベーションという東京の不動産会社が、「全スタッフ13時~18時の5時間勤務」

導入した。というニュースです。

 

そしてコレ。

産経ニュース 佐川が週休3日制 ヤマトなども検討 物流業界の人手不足深刻 待遇改善でドライバー確保へ

これは、「変形労働時間制」を利用して週休3日制を導入する。といったニュースです。

 

上記労働基準法の記載にも「八時間を超えて、労働させてはならない。」とあるように、あくまで「8時間」は

「上限規定」(最低基準)です。なので労働者に有利な「5時間」労働はOK。

「変形労働時間を利用した週休3日制」は週の総労働時間(40時間)自体の変更は無いので、正直微妙です。

 

しかし、導入企業の ES(従業員満足度)・宣伝(求人等も含めた)効果等を考慮したら、メリットが大きい事は

ニュースのインパクトや社内調査の結果からも伺い知ることができます。

 

「日本で最初に制度導入をしたのは、「民間企業」だった」こともあるように、この流れに他の企業の追随すれ

ば、横並びになる前に制度導入をした企業は、他の企業に比べて、恩恵が多いかもしれません。

 

ですが、気になる点があります。

・「業務が本当に終わるの?(業務の効率化)」

・「給与は大丈夫なの?(労働条件の不利益変更)」

です。

 

まず(業務の効率化)ですが、これは、業種、業態、人数等条件がいろいろ違うので難しいところですが、

実際、顧問先に提案している事を書いていきます。

 

①業務の可視化 まずフローチャートを創って、業務のマニュアル化を行います。

ですが、突発的な事態が起こった際(そんなのばっかりでしょうけど。)対処出来なければ意味がありません。

そこで、②「部、課、班といったセクション内での属人的な業務を無くしていきましょう。」と言っています。

 

簡単に言えば、③1人の監督者(出来れば、そのセクションのリーダー)を置き、一人ひとりがどんな業務をし

ているのか細かくリサーチして、他の全員(少なくとも3人)が情報共有・把握して、どんな時でも「フォロー・

カバー・サポート」が出来る体制づくりを行います。

 

「個人業務のボーダレス化」とでも言えば良いでしょうか。

 

そうすれば、今までの行ってきた個人の業務内容が丸見えなので、困る人もいるはず・・。

(制度導入をした場合、総じて労働時間が短くなるのでこの際、サボるのはやめましょう。)

 

1人の能力がずば抜けていても、セクションのパフォーマンスを上げる努力をしなければ、能力の高い個人は貢献出来ていない。ということです。そこの管理をするのが、いわゆる「管理職」ではないでしょうか。

(90+30+20+20+50=210)(60+50+50+50+40=250)では、情報を共有する青チームの方が管理し

やすいのはお分かりいただけるはずです。

 

次に給与額の変更(労働条件の不利益変更)についてです。

上記ニュースも含め、「給与の総額を変えない。」事を前提に話しをしてきました。ですがもし、「業務時間に

合わせて給与総額を減給した。」(*やめましょう)場合、労働条件の不利益変更に該当する可能性が高いと思

います。(結果、モチベーションが下がったら何の意味もありません。)

 

 

それは、第四銀行事件(最二小判平9.2.28)の判旨でも示された様に、労働契約法10条の「合理的なもの」の

判断要素「(1)労働者の受ける不利益の程度、(2)労働条件の変更の必要性、(3)変更後の就業規則の内容の

相当性、(4)労働組合等との交渉の状況、(5)その他の就業規則の変更に係る事情」等に抵触するからです。

(*不利益の程度や必要性など細かい判断は、ここでは省きます。)

e-gov 労働契約法

 

せっかくなので、導入を検討する場合は、「労働時間の効率化」を主眼に置いた計画を検討してみてはいかがで

しょうか?

 

最後に

 

 

きっと「1時間」短くしただけでも、何かしらの効果(残業の削減、モチベーションUPなど)がありそうです。

 

「オプション併せて12時間はおかしい。」と声が上がる以上、70年前に施行されたの労働基準法に固執するので

はなく、法律をうまく利用できたら労使共々「ハッピー」になれると思いませんか?