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前回は、「高齢者雇用」について考えようと思っていたところ、面白い「サスペンス小説」に足を引っ張られ

ちゃった。というお話でした。(どんな内容だよ?)

 

「宮崎駿監督が引退撤回!」を考えていたら、あらぬ方向に・・(不安な個人 立ちすくむ国家を読んで①)

 

 

 

今回はその続き。やっと高齢者の労働環境(制度面*)について考えてみたいと思います。

 

(*つまり、この一連の「高年齢者雇用」という大スペクタクルは、まだまだ続きますよ。という事なんです。

ハイ。テーマが大きすぎて、チョット後悔しております。)

 

高齢者の雇用に関する施策の現状(29年5月29日現在)

 

前回の記事でも書きましたが、

高年齢者雇用安定法の定めにより①定年の引上げ、②継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入③定年

の定めの廃止等の高年齢者雇用確保措置を講じることが義務付けられている。のを皮切りに、

大きく分けて2つ、①助成金の支給②サポート体制の強化に分類出来そうです。

 

まずは①助成金の支給です。全部で4タイトル。1つずつ確認します。

 

(解りにくいので、「こんなタイトルあるんだ。」だけでも覚えておいてください。そして、お近くの社労士に

聞いてみてください。誠意をもって対応してくれるはずです。)

(きっと!)

 

65歳超雇用推進助成金

 

(65歳超継続雇用促進コース) (以下、引用します。)

次の[1]~[3]のいずれかに該当する制度を実施したこと。

[1] 65歳以上への定年引上げ

[2] 定年の定めの廃止

[3] 希望者全員を66歳以上の年齢まで雇用する継続雇用制度の導入

支給額です。

【 65歳以上への定年引上げ 】【 定年の定めの廃止 】  ( )は引上げ幅

措置内容

60歳以上

被保険者数(*)

65歳まで引上げ66歳以上に引上げ定年の定めの

廃止

(5歳未満)(5歳)(5歳未満)(5歳以上)
1~2人20万円30万円25万円40万円40万円
3~9人25万円100万円30万円120万円120万円
10人以上30万円120万円35万円145万円145万円

 

【 希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入 】

措置内容

60歳以上

被保険者数(*)

66~69歳まで70歳以上
(4歳未満)(4歳)(5歳未満)(5歳以上)
1~2人10万円20万円15万円25万円
3~9人15万円60万円20万円80万円
10人以上20万円75万円25万円95万円

 

(高年齢者雇用環境整備支援コース)

高年齢者の雇用環境を整備するための措置を次の(1)~(2)によって実施した場合に受給することができます。
(1) 雇用環境整備計画の認定
 高年齢者の雇用環境整備のため、次の[1]~[2]のいずれかの支給対象措置に係る「雇用環境整備計画」を作成し、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長に提出してその認定を受けること
 [1] 機械設備、作業方法または作業環境の導入または改善による既存の職場または職務における高年齢者の雇用の機会の増大
 [2] 高年齢者の雇用の機会を増大するための能力開発、能力評価、賃金体系、労働時間等の雇用管理制度の見直しもしくは導入または医師もしくは歯科医師による健康診断を実施するための制度の導入
(2) 高年齢者雇用環境整備の措置の実施
 (1)の雇用環境整備計画に基づき、当該雇用環境整備計画の実施期間内に支給対象措置を実施すること。

支給額です。

(1) 本コースの支給額は、雇用環境整備計画の期間内にかかった支給対象経費(※)に60%(中小企業以外は45%)を乗じて得た額または、支給申請日の前日において当該事業主に1年以上雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者のうち支給対象措置の対象となる者の数に28.5万円を乗じて得た額のいずれか少ない方の額を支給します(上限額1,000万円)。
(2) 生産性要件を満たした事業主については、雇用環境整備計画の期間内にかかった支給対象経費(※)に75%(中小企業以外は60%)を乗じて得た額または、支給申請日の前日において当該事業主に1年以上雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者のうち支給対象措置の対象となる者の数に36万円を乗じて得た額のいずれか少ない方の額を支給します(上限額1,000万円)。
※ 上記の[2]の雇用環境整備計画に基づく措置を実施した場合には、当該措置の実施に30万円を要したとみなします。ただし、1企業につき1回限りとし、2回目以降は実費を対象とします。

 

(高年齢者無期雇用転換コース)

次の(1)~(2)によって50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者の無期雇用労働者への転換を実施した場合に受給することができます。
(1) 無期雇用転換計画の認定
  「無期雇用転換計画」を作成し、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長に提出してその認定を受けること
(2) 無期雇用転換措置の実施
(1)の無期雇用転換計画に基づき、当該計画の実施期間中に、高年齢の有期契約労働者を無期雇用労働者に転換すること

 

支給額です。

 

(1) 本コースの支給額は、無期雇用転換計画期間内に無期雇用労働者に転換された対象労働者1人につき48万円(中小企業以外は38万円)を支給します。
生産性要件を満たした事業主については、対象労働者1人につき60万円(中小企業以外は48万円)を支給します。
(2) ただし、支給申請年度における対象労働者の合計人数は、転換日を基準として、1適用事業所あたり10人までとなります。

 

次はコレ。特定求職者雇用開発助成金(平成29年4月1日よりコース名称が変更されてます。)

(生涯現役コース)

(1)ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること

(2)雇用保険一般被保険者として雇い入れ、継続して雇用することが確実であると認められること。

 

支給額です。

 

対象労働者の一週間の所定労働時間 支給額 支給対象期ごとの支給額
30時間以上(短時間労働者以外) 70(60)万円 35(30)万円 × 2期
20時間以上30時間未満(短時間労働者)50(40)万円25(20)万円 × 2期

 

(特定就職困難者コース)

 

高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。

 

支給額です。

 

対象労働者支給額助成対象期間支給対象期ごとの支給額
短時間労働者以外の者[1]高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等60万円

(50万円)

1年

(1年)

30万円 × 2期

( 25万円 × 2期 )

[2]重度障害者等を除く身体・知的

障害者

120万円

(50万円)

2年

(1年)

30万円 × 4期

( 25万円 × 2期 )

 

[3]重度障害者等

 

240万円

(100万円)

 

3年

(1年6か月)

40万円 × 6期

( 33万円※× 3期 )

※第3期の支給額は34万円

短時間労働者[4] 高年齢者(60歳以上65歳満)、

母子家庭の母等

40万円

(30万円)

1年

(1年)

20万円 × 2期

( 15万円 × 2期 )

[5]重度障害者等を含む身体・知

的・精神障害者

80万円

(30万円)

2年

(1年)

20万円 × 4期

( 15万円 × 2期 )

 

 

次にコレです。 生涯現役起業支援助成金

 

中高年齢者(40歳以上)の方が、起業によって自らの就業機会の創出を図るとともに、事業運営のために必要となる従業員(中高年齢者等)の雇入れを行う際に要した、雇用創出措置(募集・採用や教育訓練の実施)にかかる費用の一部を助成します。

(1)起業者が起業した法人または個人事業の業務に専ら従事すること

(2)起業者の起業基準日における年齢が40歳以上であること

(3)起業基準日から起算して11か月以内に「雇用創出等の措置に係る計画書」を提出し、都道府県労働局長の認定を受けていること。(認定に当たっては、公的機関等の実施する創業支援を受けていること、当該事業分野において一定年数以上の職務経験を有していることなど、事業継続性の確認があります)

(4)計画書で定めた計画期間(12か月以内)内に、対象労働者を一定数以上新たに雇い入れること

(5)支給申請書提出日において、計画期間内に雇い入れた対象労働者の過半数が離職していないこと

(6)起業基準日から起算して支給申請日までの間における離職者の数が、計画期間内に雇い入れた対象労働者の数を超えていない事業主であること

(7)計画期間の初日から起算して6か月前の日から支給申請日までの間(基準期間)に、解雇など事業主都合により被保険者を離職させていない事業主であること

(8)支給申請書提出日における被保険者数の6%を超える被保険者を、倒産・解雇等による離職理由により、離職させていない事業主であること

 

支給額です。

 

・起業者の起業基準日における年齢が 60 歳以上の場合
助成対象費用の合計額に 3 分の 2 を乗じた額(ただし、その額が 200 万円を超えるときは、200 万円を上限)とする。

・起業者の起業基準日における年齢が 40 歳以上 60 歳未満の場合
助成対象費用の合計額に 2 分の 1 を乗じた額(ただし、その額が 150 万円を超えるときは、150 万円を上限)とする。

助成対象上限額
「民間有料職業紹介事業の利用料」45 万円
「求人情報誌、求人情報サイトへの掲載費用」22 万円
「募集・採用パンフレット等の作成費用」45 万円
「就職説明会の実施に係る費用」・「採用担当者が募集・採用のために要した宿泊費」

「採用担当者が募集・採用のために要した交通費」・「支給対象事業主が実施したインターン

シップに要した費用」の合計額

70 万円
「就業規則の策定、職業適性検査の実施その他の支給対象事業主に雇用される労働者の雇用管理の改善の取組みに要した費用」53 万円
「対象労働者に対し、その者が従事する職務に必要な知識又は技能を習得させるための研修及び講習等に要した費用」16 万円
「対象労働者が移転した際、支給対象事業主が負担した場合の費用」29 万円
「対象労働者が求職活動を行っていた間の経費について、支給対象事業主が負担した場合の費用」20 万円

 

 

最後に、高年齢雇用継続給付です。

 

高年齢雇用継続給付は、「高年齢雇用継続基本給付金」と基本手当を受給し、60歳以後再就職した場合に支払われる「高年齢再就職給付金」とに分かれますが、雇用保険の被保険者であった期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の一般被保険者が、原則として60歳以降の賃金が60歳時点に比べて、75%未満に低下した状態で働き続ける場合に支給されます。

 

支給額です。

 

高年齢雇用継続給付の支給額は、60歳以上65歳未満の各月の賃金が60歳時点の賃金の61%以下に低下した場合は、各月の賃金の15%相当額となり、60歳時点の賃金の61%超75%未満に低下した場合は、その低下率に応じて、各月の賃金の15%相当額未満の額となります。(各月の賃金が339,560円を超える場合は支給されません。(この額は毎年8月1日に変更されます。))

例えば、高年齢雇用継続基本給付金について、60歳時点の賃金が月額30万円であった場合、60歳以後の各月の賃金が18万円に低下したときには、60%に低下したことになりますので、1か月当たりの賃金18万円の15%に相当する額の2万7千円が支給されます。

 

次は、②サポート体制の強化です。が、サラッと書いちゃいます。

(直接どうのこうの、出来ないので。)

 

・高齢・障害・求職者雇用支援機構による事業主に対する相談、援助

(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 高齢者の雇用支援

 

・高年齢退職予定者キャリア人材バンク事業の実施

(公益財団法人 産業雇用安定センター

 

・シニアワークプログラム事業の実施

 

もっと普及活動をしたほうがいいのでは?

 

 

助成金を申請したり、就業サポートを利用するのも、大切なことなのですが、もっと大切な事を失念しておりま

した。申し訳ありません。

 

 

それは、「在職老齢年金」という制度です。

 

この制度は、60歳以上で老齢厚生年金を支給されている方が就労し、厚生年金保険に加入した場合、老齢厚生年

金の額と給与や賞与の額(総報酬月額相当額)に応じて、年金の一部または全額が支給停止となる

大変悲しい制度です。

 

簡単にいうと、「60歳以上で給料もらえる人は、年金そんなに多くなくても生活、大丈夫だよね。だったら給料

貰えてる間は、給料に応じて年金カットしま~す。(ニンマリ。)」ということです。

 

ふざけんなぁー!!と言いたいところですが、「高齢者の雇用を促進する」という面においては、大変使える、

いや「使わなければならない」制度です。

 

給料に応じて年金がカットされるという事は、逆を言えば、「年金がカットされないギリギリの給料の設定が出

来るんじゃないの?」と言う訳なんです。

これは、人件費を削減したい企業側も、「年金+給与の最高額」を確保したい労働者側も得する方法です。

しかしこの制度、上記高年齢雇用継続給付も絡んでくるので、異常に難解です。

 

制度の説明は、コチラ。

日本年金機構 在職老齢年金の支給停止の仕組み(リンク先PDF)

 

(丸投げしちゃってもいいですよね。だって制度の説明だけで日が暮れます。いいよね?いいですよね??)

 

この制度は、決して強制ではありません。もしかしたら、労使ともに損をしていることも、充分考えられます

ですから、心当たりのある方は、確認してみるべきです。上記すべての制度に関していえる事ですが、

覚えなくても問題ありません。これまたお近くの社労士へ「高齢者の助成金。なんか無い」でOKです。

わたしもちゃんと説明と計算、できますよ。(小声))

 

*国にしてみたら、年金債務が減る(支給しなくてよくなる。)ので、「在職老齢年金の制度をうまく活用しましょう。」とかの宣伝はしないし、したくもないはずです。

 

最後に

 

まとめると、制度の利用に関しては、「在職老齢年金制度」をベースに、助成金の申請を検討してみるのが良さ

そうです。

 

しかし、感の良い方ならお分かりでしょうか?

上記、助成金は、申請時の条件として、最低65歳までの定年年齢の設定を強制(例外があります。)されるの

で、助成金を申請する企業や、そもそも定年制を廃止した企業以外で働く「高齢者」は「勤務延長制度若しくは

再雇用制度」の契約が終了すれば、退職しなければなりません。

 

また、「60歳」と定年年齢を定めながら、勤務延長制度若しくは再雇用制度を活用している企業は、定年制を採

用している企業の約76%という現状があります。

 

次回は、そのセーフティーネットの対象にならない方に対する制度運用を考えたいと思います。

 

(まだまだ、このスペクタクルは続くんですよ~~。)(強気)