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さて、今回は、前回の続きです。

 

 合法的な社会保険料の削減・・だけではないんです。(選択制企業型確定拠出年金①)

 

 

選択制企業型確定拠出年金のデメリットとして以下の項目を上げてみました。

 

①中途の引き出しは原則不可

 

(老齢給付金の受給権取得は60歳)

 

②加入者等期間が10年未満の場合、 受給が最長65歳までスライド

 

③標準報酬月額(標準報酬日額)が下がることにより、関連する給付の支給額が減額される。

 

(出産手当金・傷病手当金・基本手当(失業給付)等)

 

④投資リスクを各加入者が負うことになる。

 

⑤社会保険料の等級引下げによる将来の公的年金受給金額の減少

 

 

こんな感じでしょうか。順に考えてみたいと思います。

 

 それってホントにデメリット?

 

 

まず、①「中途の引き出しは原則不可」。 これは当然の話しで何ら、デメリットではありません。

 

「確定拠出年金の制度趣旨」からも解るように、この制度は、あくまでも【年金】制度です。

 

貯金ではありません。困った時に引落しが出来る制度は年金の機能を果たせないからです。

 

 

次に②「加入者等期間が10年未満の場合、 受給が最長65歳までスライド」ですが、これも対応一つで

 

デメリットでは無くなります。まずはココで確認しましょう。

 

厚生労働省 確定拠出年金Q&A 規約記載事項(一定の資格(年齢))

 

以下、抜粋します。(強調は筆者によります。)

Q 「一定の年齢」にて加入資格を限定する場合、50歳未満の一定の年齢による加入者資格の限定はできないのか。また、一定の年齢以上の者のみを選択制とすることはできるのか。

A 一定の年齢以上を加入者資格の要件にすることは、合理的な理由があるとは考えられないことから、基本的には認められない。ただし、企業型年金の開始時や企業型年金開始後の入社日時点に50歳以上の者に限り、DCに加入できない又は選択制とするという取扱いを可能としている。

 

Q 「 50 歳以上」の従業員について、 60 歳以降で定年退職してもそのときに給付を受けられないという不都合が生じるおそれがあることを踏まえて、「 50 歳以上」の一定の年齢によって加入資格を区分し、当該一定の年齢以上の従業員を企業型年金加入者とせずに、当該一定の年齢未満の従業員のみ企業型年金加入者とする場合に、ここでいう「 50 歳以上」とは具体的にはどのような者か。

A 加入前月時点で 50 歳以上の者(ただし、月の初日又は二日目に誕生日を有する場合には、加入前月時点で 49 歳 11 ヵ月以上の者)を指す。

 

簡単に言えば、加入時点で50歳以上の方は、10年間掛金を拠出できるか分からないので、「規約」を定める時に

加入者から除外してもいいよ。という見解なんです。

なので、キチンと規約に定めて、加入者に説明すれば大丈夫です。

 

次は③「標準報酬月額(標準報酬日額)が下がることにより、関連する給付の支給額が減額される。」

 

ですが、出産やケガ、失業など必要な時点で、支給額が減ってしまうのは、確かにイタイ!と思います。

 

しかし、わたしは、機会費用(wiki 機会費用)と考えています。なので割愛します。ハイッ。次!

 

*厳密には正確な表現ではありませんね。利用する状況もタイミングも違うので。現在or老後どちらにウエイト

を置くかという話です。

 

次の④「投資リスクを各加入者が負うことになる。」と⑤「社会保険料の等級引下げによる将来の公的年金受給

金額の減少」なんですが、

 

ココ!大事!!年齢によって(もうほとんどの方は)含み損あるじゃん!!(怒)という話です。

 

 

 

 

 

 

(気に入ったのでこのイラスト、使い回してます。いいわ~。)

 

 

 制度上の欠陥はずっと前から指摘されていました。

 

 

今回、一番お伝えしたいことなんですが、まずは、こちらの資料を確認してみてください。

 

① 内閣府 経済社会総合研究所(サイト)  社会保障を通じた世代別の受益と負担(PDF直リンク)

 

② 内閣府(サイト) 税・社会保障等を通じた受益と負担について(PDF直リンク)

 

*どちらの資料も年金、医療、介護の3分野に関する「受益と負担の構造」を検討した資料ですが、「年金」制度を確認したいので、今回は「年金だけ」に関する資料を検証します。

 

①は2012年1月に内閣府の機関である経済社会総合研究所から「すべて研究者個人の責任で執筆されており、

内閣府経済社会総合研究所の見解を示すものではありません。」 と但し書きが付されて発表されていますが、

「年金、医療、介護の3分野における世代別の受益と負担」を検証した非常に内容の濃い資料です。

 

 

②はその①をベースに平成27年6月1日に行われた第8回経済財政諮問会議に提出されたものです。が、具体的な

数字の記載が無く、あえて消したんじゃないの?と勘ぐりたくなる程の出来栄えです。

 

資料に対する評価のほどは別にして、2つの資料では、結論がほぼ一致しています。それは、

 

「年金給付に関し、年齢階層別で評価すると、現役世代はネット負担超、高齢者はネット受益

超。(現役世代は、年金給付額<保険料納付額。高齢者は年金給付額>保険料納付額)」

 

だという事です。

(当たり前ですよね。少子高齢社会の到来で、保険料収入の担い手が少なくなるのは自明だからです。)

 

中でも、①の資料内 図4-1(32ページ目)が解りやすいと思います。

 

例えばわたしの世代では、生涯保険料1,946万円に対し、生涯年金受給額は1,359万円です・・・。

 

どうなのよ?コレ?

 

 

 

 

 

 

約30%の含み損です・・・。

 

わかってます。理解はしてますよ。強制加入で賦課方式。年金受給世代の年金収入を現役世代が負担する。

 

わかっちゃいるけど、30%って。制度が機能してないじゃん!

 

払った時点で即30%の含み損なんてどんな金融商品にも無いよ!

 

例えば世界経済インデックスファンドで30%も下落しようものなら、世界経済が破綻しちゃうぜ!!

 

(ちなみに、2016年6月のブレグジット(イギリスのEU離脱問題)の時でも、こんなには下がりませんでし

た。)

すみません。取り乱してしまいました。

 

*ちなみに、悪名高い(?)当せん金付証票」(宝くじの事です。)は、

売上9,154億円のうち、4,303億円が当選金の支払いに充当されます。

 

全国自治宝くじ事務協議会 収益金の使い方と社会貢献広報

 

当選金の払い戻し率の期待値は47%。

つまり、バラ10枚(3,000円)を購入すると、購入した時点で、理論上1,590円の損失が生じます。

(払い戻し金300円は除きます。)

 

含み損 53%!!(年金も宝くじも「国が管理」しているのは、どういう事かな??)(皮肉たっぷり)

 

話しを戻します。

 

上の資料を確認して頂ければ、④「投資リスクを各加入者が負うことになる。」と⑤「社会保険料の等級引下げ

による将来の公的年金受給金額の減少」は、なんらデメリットではなく、むしろメリットである。

と大きな声で叫んでも、「うん。うん。」と言っていただけるのではないでしょうか。

 

 最後に

 

 

ご存じの様に、今現在の社会保険料率(健康保険・厚生年金保険・介護保険料の保険料率の合算率)は鹿児島県

では、29.962%です。

この数字、厚生年金保険料に限っては、「保険料水準固定方式」という仕組みで今年(平成29年)以降の保険料

は18.30%で固定されています。

ちなみに健康保険料は毎年のように、料率が上がっています。これはもう医療費の増加が主な原因でしょう。

 

現状はこうですが、今後どうなるかわかりません。

 

(だって人口推計からみても、将来の現役世代は確実に減少しています。出生率もそう。保険料率が上がる要因

はたくさんあっても、下がる要因が見つけられません。)

 

総務省統計局 人口推計(平成28年10月1日現在)

 

そもそも「保険料徴収権」は「徴税権」と同じで、非常に強力です。

出生率、物価変動、人口推計、財政再計算の結果など諸要因で保険料収入が減ろうものなら、国のさじ加減一つ

でどのようにも改変できるからです。

 

このような状況の中、おいしい制度ならば、おいしく利用するべきです。

そして、これまで、見てきたように選択制企業型確定拠出年金には、デメリット(私見 無いですね。)を上回

る、多くのメリットが労使双方にあります。

 

是非とも、利用を検討して頂き、ドロ船(言っちゃった。)に乗らないで頂きたいと思います。

 

*最後の最後にどうぞ。

こちらのサイト。年金の周知にはもってこいです。面白いのでどうぞ。

 

厚生労働省 年金局 数理課 いっしょに検証!公的年金

 

(ねんきんこって。年金ジョークかよ。(大爆笑))